「えっ、紅白って外国人アーティストも出てたの!?」
毎年話題になるNHK紅白歌合戦ですが、実は数々の海外アーティストが登場してきたことをご存じでしょうか?
BoAやTWICEのようなK-POP勢から、マライア・キャリー、サラ・ブライトマンなどの世界的スターまで——その出演にはどんな背景があり、どんな反響を呼んできたのでしょうか?
この記事では、紅白に出演した歴代の海外アーティストを一覧で紹介しつつ、話題になったパフォーマンスや起用の背景、視聴者の反応、そして今後の展望までを徹底解説します!
紅白の新しい側面を知りたい方、K-POPや海外アーティストが気になる方、そして音楽が好きなすべての人へ贈る“保存版”の記事です。
- 歴代紅白歌合戦に出演した海外アーティスト一覧(国・年別まとめ)
- 紅白出演で大反響を呼んだ海外アーティスト5選
- BoA(史上初のK-POP女性出場者として話題に)
- TWICE(日韓グループの象徴的存在)
- サラ・ブライトマン(紅白らしい格調の高さ)
- マライア・キャリー(VTR出演でも注目の的)
- SEVENTEENやENHYPENら“今”の人気者たち
- SNSでの爆発的反響とトレンド入り
- 年配層 vs 若者層の視点の違い
- 出場に対する賛否と「紅白の国際化」議論
- ファンの期待とアンチの批判が交錯
- 海外出演による視聴率や話題性への影響
- NHKの「グローバル化戦略」と紅白の今後
- AI・VTuber・バーチャル出演の可能性
- グローバルK-POP戦国時代と日本市場
- 日本から世界へ:逆輸入アーティストも台頭中
- 「国境を超える音楽祭」へと進化する紅白の未来
- まとめ|紅白に出演した海外アーティストたちは“音楽でつながる世界”の象徴
歴代紅白歌合戦に出演した海外アーティスト一覧(国・年別まとめ)
韓国(K-POP)アーティストの出場年と主な出演者
紅白歌合戦における海外アーティストの中でも、最も多く登場しているのが韓国のK-POP勢です。日本でのK-POPブームが高まり始めた2000年代初頭から、彼らの紅白出演が目立つようになりました。
たとえば、BoAは2002年に初出場し、そこから6年連続で出場。彼女は日本語の歌唱力と圧倒的なパフォーマンスで注目を集め、「海外アーティストでも紅白に出られる」という先駆け的存在となりました。
その後、東方神起(2008年〜)、KARA(2011年)、少女時代(2011年)といったグループが続き、2017年にはTWICEが初出場。TWICEは日韓合同グループという特性もあり、日本の幅広い年齢層から支持を得ました。
近年では、JO1やINIのような“日韓ハイブリッド育成型グループ”の人気もあり、SEVENTEEN、ENHYPENなどの出演も期待されてきました(2023年にはSEVENTEENが初出場)。
こうしたK-POPグループは、紅白で日本語曲を披露することも多く、視聴者に親しみやすさを持って受け入れられています。紅白におけるK-POPは、もはや“海外枠”というより、日本の音楽シーンの一部として定着してきているのが現状です。
欧米・アジア圏アーティストの出演一覧(サラ・ブライトマン、マライア等)
欧米圏やその他のアジア出身アーティストも、紅白には意外と出演しています。代表的な例としては、サラ・ブライトマンやマライア・キャリーが挙げられます。
サラ・ブライトマンは2013年に、YOSHIKIとのコラボで特別出演しました。彼女の高貴なソプラノと紅白の舞台の格式が見事にマッチし、視聴者から「これぞ紅白」という評価を得ました。
また、マライア・キャリーは2001年、ニューヨークからの中継VTR出演という形で登場。これも当時としては画期的で、「世界的アーティストが紅白に出るなんて!」と大きな話題を呼びました。
その他にも:
- ウィル・アイ・アム(Black Eyed Peas)
- リチャード・カーペンター(カーペンターズ)
- サラ・オレイン(オーストラリア出身、日本語曲も歌唱)
といったアーティストが、特別企画枠やコラボパフォーマンスで登場しています。近年では国籍に関わらず、日本と深いつながりがあるアーティストは出演の可能性が高まっている傾向です。
特別出演・リモート・中継での海外アーティスト
紅白の演出が多様化する中で、リモート出演やVTR中継での登場も珍しくなくなってきました。特に新型コロナウイルスの影響が強かった2020年・2021年では、海外からのリアルな来日が困難だったため、多くのアーティストが映像出演という形をとっています。
例としては:
- BTS:紅白への出演自体は叶いませんでしたが、リモートでのメッセージ出演が話題に。
- マライア・キャリー:前述の通り、2001年にVTRでパフォーマンス。
- サラ・ブライトマン:2013年にはステージ出演、その後も映像での登場経験あり。
また、国内外で活動しているアーティストが別会場から中継で出演するスタイルも増えています。NHKホールだけでなく、東京スカイツリーや地方の神社仏閣からの中継など、「場所を越えたパフォーマンス」が紅白の魅力の一つになっています。
出場とされない「ゲスト枠」の扱いとは?
紅白歌合戦には、**正式な出場歌手(紅組・白組)とは別に、「ゲスト出演者」や「特別企画ゲスト」**として登場する海外アーティストもいます。これは、歌手としてフルで1曲を披露するのではなく、演出の一部やトリビュート企画での出演という形です。
例えば、リチャード・カーペンターは、いきものがかりが歌う「Top of the World」の演奏に参加。出演リストには名前が載らないものの、存在感のある演奏で話題になりました。
また、NHKの朝ドラ主題歌や、紅白の特別企画に絡んだ演出で、外国人アーティストが“サプライズ出演”することもあります。これらは正式な「出場歌手」とはカウントされませんが、紅白の視聴者には深く印象に残るパフォーマンスとなっています。
見逃せない!紅白に“海外から出演”した意外な人たち
過去には、「えっ、あの人も紅白に出てたの?」と驚くような海外アーティストの出演もありました。たとえば、2019年にはアニメ『鬼滅の刃』の大ヒットを受けて、LiSAのステージに海外のオーケストラ演奏家が映像で参加したこともあります。
また、NHKが特に力を入れた国際平和や震災復興の特集企画では、外国の聖歌隊や合唱団がリモートで参加し、「紅白=音楽を通じた国際交流」という側面が強調される年もありました。
こうした“正式な出場歌手ではないが印象的な外国人”たちは、紅白の演出の幅を広げる存在として、今後も増える可能性があります。
日本でのチャート実績や話題性が鍵
紅白歌合戦に海外アーティストが起用される理由として、最も大きな要素のひとつが「日本国内での実績と話題性」です。NHKは公式に「その年を代表する歌手」を出演基準に挙げており、海外アーティストであっても、日本の音楽チャートでのヒットや話題性があれば、出場の対象となります。
たとえば、BoAは2002年に日本で発売したシングル「VALENTI」がオリコンチャートで1位を記録。東方神起やKARA、TWICEなども、日本語の楽曲でヒットを飛ばした年に紅白に出演しています。こうした成功は単なる“外国人”ではなく、「日本で人気のあるアーティスト」として認識される決定的な要素になります。
また、音楽番組やバラエティ、SNSでの露出も評価対象です。近年ではTikTokやYouTubeでのバズも影響力が強く、SNSのトレンド入りや再生数の伸びが出演判断に関わっていると考えられます。
つまり、「日本で話題になったかどうか」が選出のポイントです。海外アーティストであっても、日本のファンとつながりを持ち、実績を残しているかが問われるのです。
NHKが重視する「その年を代表するアーティスト」とは
NHKは紅白歌合戦における出演者選出の基準として、毎年「その年に活躍したアーティスト」を掲げています。これは単にCDの売上やチャート順位だけではなく、その年の世相・社会的背景・メディア露出・国民的注目度といった総合的な視点で判断されているとされています。
この観点から見ると、海外アーティストであっても、その年の日本の音楽シーンに強い影響を与えた場合は、十分に出場の対象となるのです。特に国際的なイベントやニュースと関連していた場合、その話題性も選出の一因になります。
たとえば、TWICEが出場した2017年は、K-POP第3次ブームと呼ばれるほど、韓国音楽が再評価された年でした。また、BoAの初出場も、日本国内でのK-POP人気が爆発的に高まった年とリンクしています。
さらに、NHKは国民的な関心や多様性、ジェンダーや国際的な価値観も重視しています。海外アーティストを起用することで、紅白が“日本国内だけの音楽祭”から“国際的な年末イベント”として広がりを見せているという背景もあるのです。
コラボや特別企画での戦略的起用例
海外アーティストが紅白に出演する際、単独で1曲を披露するケースだけでなく、日本人アーティストとのコラボレーションや特別企画での出演が多く見られます。これは、視聴者にとって馴染みのある国内アーティストとセットにすることで、海外アーティストの出演に対する違和感やハードルを下げる効果があるからです。
たとえば、2013年にはYOSHIKIとサラ・ブライトマンが共演し、クラシックとロックの融合で紅白らしい荘厳なステージを演出しました。このような「特別演出」は、紅白の見どころのひとつでもあり、海外アーティストの実力を引き出す舞台としても機能しています。
また、NHKスペシャルや朝ドラの主題歌特集など、「その年のNHKとの関わり」が強い企画において、海外アーティストが起用されることもあります。たとえば、国際平和・オリンピック・震災復興など、社会的メッセージを込めたステージでの出演が印象的です。
このように、海外アーティストの出演は、NHKの演出意図と密接にリンクしているため、単なる“呼んでみた”ではなく、しっかりと企画に基づいた戦略的な起用であることが多いのです。
政治的・国際的背景を感じるキャスティング
紅白歌合戦はエンタメ番組であると同時に、NHKという公共放送が主催する国民的イベントです。そのため、出演アーティストの選出には、時には政治的・国際的な配慮が含まれることもあります。
たとえば、日韓関係が比較的良好だった年には、K-POPアーティストの出演が目立ち、逆に政治的に敏感な時期には出演が見送られるケースもありました。実際に、2018年以降、一時期K-POP勢の出場が減った時期には、日韓関係の冷え込みが背景にあると噂されました。
また、中国やアメリカとの関係がテーマになっている年には、その国にゆかりのあるアーティストの出演が話題になることもあります。これはNHKが直接政治に関わっているというよりも、国際関係に対して中立的でバランスの取れた番組づくりを意識している結果と見ることができます。
紅白は単なる音楽番組ではなく、「その年の日本と世界を映す鏡」としての役割も果たしているため、海外アーティストの出演には、その時代背景が色濃く反映されているのです。
SNSやYouTube人気が起用の後押しに
近年では、テレビ番組においてもSNSやYouTubeなどネットでの人気が無視できない時代になりました。紅白も例外ではなく、出演アーティストの選定において、YouTube再生数・TikTokでのバズり度・X(旧Twitter)でのトレンド入りなどが、実質的に重要な指標となっています。
たとえば、TWICEやSEVENTEENなどのK-POP勢は、テレビでの露出が少なくてもSNSで爆発的な支持を得ており、そうした“ネット世代”の支持層がNHKにも届いていることがうかがえます。
NHKは紅白を若者にもアピールしたいと考えており、YouTubeでバズっている楽曲や、SNSで話題のパフォーマンスは、紅白の選出理由として無視できない存在となっています。
また、視聴者の反応がすぐに可視化されるSNSの特性を活かして、話題性を確保できるアーティストをあえて起用するという戦略もあるようです。これは特に若年層の視聴率が伸び悩む中で、紅白の新たなファン層獲得を狙う動きとも言えるでしょう。
紅白出演で大反響を呼んだ海外アーティスト5選
紅白出演で大反響を呼んだ海外アーティスト5選
BoA(史上初のK-POP女性出場者として話題に)
2002年、当時まだ16歳だったBoAが、韓国出身の女性アーティストとして史上初めて紅白歌合戦に出場しました。この出場は紅白史に残る大きな出来事であり、それ以降のK-POPブームの“扉を開いた存在”と称されるほど影響力の大きなものでした。
BoAは日本語を完璧にマスターし、当時のヒット曲「VALENTI」を中心に、オリコン1位を獲得するなど大ヒットを飛ばしていました。紅白出演の際も、日本人アーティストと同じように日本語で堂々とパフォーマンスを披露し、多くの視聴者に衝撃を与えました。
また、NHKの関係者によれば、BoAの出演は「K-POPを日本の音楽界に本格的に受け入れるきっかけとなった」とも言われており、翌年以降、東方神起やKARAなど韓国アーティストの出場が続く道をつくった存在でもあります。
BoAはその後6年連続で出場し、紅白の“常連”とも呼ばれるほどのポジションに。アイドルではなく実力派のシンガーとして、紅白の格式にも見事にマッチしたことで、多くの視聴者から「違和感のない海外アーティスト」として高い評価を受けました。
彼女の登場は、紅白だけでなく、日本と韓国の音楽交流の歴史のターニングポイントとも言える重要な出来事でした。
TWICE(日韓グループの象徴的存在)
TWICEは、2017年に紅白歌合戦に初出場を果たしました。彼女たちは韓国の大手芸能事務所JYPエンターテインメントによって結成されたガールズグループですが、メンバーには日本人3名、韓国人5名、台湾人1名が含まれる国際色豊かな構成となっており、“多国籍K-POPグループ”として注目を集めていました。
TWICEの人気は、2015年のデビュー以降、日本でも急速に高まり、2017年には日本デビューを果たし、CDセールスやライブ動員数も記録的な成績を達成。そのタイミングでの紅白出場となり、「ついに来た!」とファンの間では歓喜の声が上がりました。
紅白のステージでは、「TT -Japanese ver.-」などの代表曲を披露。可愛らしい振り付けとビジュアル、安定したパフォーマンスが幅広い年代に受け入れられ、翌年以降も3年連続で出場を果たしました。
TWICEはBoAや東方神起とは違い、「アイドルグループとしての魅力」を全面に出した演出が特徴で、紅白の伝統的なイメージをアップデートする存在でもありました。また、日本人メンバー(ミナ・サナ・モモ)が中心となることで、日本の視聴者にも非常に馴染みやすい存在だった点も、出場継続の要因と言えるでしょう。
紅白におけるTWICEの登場は、“K-POPの女性アイドルはテレビに出ない”というイメージを覆した歴史的瞬間でもあります。
サラ・ブライトマン(紅白らしい格調の高さ)
2013年、紅白歌合戦に登場したイギリス出身のソプラノ歌手サラ・ブライトマンは、それまでのK-POPアーティストたちとはまた違った、クラシック寄りの荘厳なステージを紅白にもたらした存在です。
彼女の出演は、YOSHIKIとのコラボによる「Miracle」のパフォーマンスで実現。これは紅白が掲げた“平和と希望”というテーマと非常にマッチしており、その年の紅白の中でもとりわけ印象的なシーンとして多くのメディアに取り上げられました。
サラ・ブライトマンは世界的なオペラティック・ポップの歌姫として知られており、日本でも根強いファンを持つアーティストです。その歌声はまさに“天使のよう”と表現され、紅白の舞台を格調高く彩りました。
また、紅白に出演した際には、彼女自身が日本に対する感謝の言葉を述べる場面もあり、非常に丁寧で温かい印象を視聴者に与えました。単なる海外アーティストの出演という枠を超え、番組全体の品格を高める演出だったとも言えるでしょう。
彼女の出演は、以降の紅白にも大きな影響を与え、クラシック寄りの海外アーティストや演奏家の出演機会が増えるきっかけとなりました。
マライア・キャリー(VTR出演でも注目の的)
2001年、アメリカの歌姫マライア・キャリーが、紅白歌合戦にビデオレター形式のVTR出演という形で登場しました。当時の彼女はすでに世界的な大スターであり、来日せずとも出演が成立するほどの影響力を持っていたアーティストです。
紅白においてVTR出演はやや異例な形ですが、それでも「世界的アーティストが紅白に出演した」という事実は非常に大きく、日本の音楽ファンにとっても忘れられない瞬間となりました。
マライアは日本でもCDセールスが好調で、特に1990年代〜2000年代初頭にかけてはオリコンでも上位にランクインする常連でした。日本のテレビCMやバラエティにも登場した経験があり、視聴者にとっても馴染み深い存在です。
紅白出演時は、海外からのメッセージと歌唱映像が放送され、ファンはSNSや掲示板で大いに盛り上がりました。たとえ生出演ではなくとも、紅白の演出として成立させることができたマライア・キャリーは、まさに“別格”の存在といえるでしょう。
SEVENTEENやENHYPENら“今”の人気者たち
近年の紅白では、SEVENTEEN(2023年初出場)や、今後の出場が期待されているENHYPENなど、第4世代以降のK-POPグループが続々と注目を集めています。彼らは日本の若年層を中心に圧倒的な人気を誇っており、CD売上やライブ動員数だけでなく、SNSでの話題性も抜群です。
SEVENTEENは13人組という大所帯ながら、統一感のあるダンスパフォーマンスとセルフプロデュース力が魅力。2023年の紅白では、日本語版の代表曲を披露し、完成度の高いステージで大きなインパクトを残しました。
ENHYPENはまだ紅白出演はしていないものの、日本市場を非常に重視しており、日韓両国での活動に力を入れています。こうした“親日的”なスタンスも、紅白出演への可能性を後押しする要素です。
彼らの登場によって、紅白が「若者の音楽離れ」にどう対処するかの答えが見えてくるとも言えます。これからの紅白には、こうした“今”の感覚を持つ海外アーティストの起用がますます不可欠になってくるでしょう。
SNSでの爆発的反響とトレンド入り
近年、紅白歌合戦に海外アーティストが出演すると、**X(旧Twitter)やTikTokなどのSNS上で爆発的に話題になります。**その理由は、世界中のファンがリアルタイムで反応を共有できる環境が整っているからです。
たとえばTWICEが紅白に初出場した2017年、出演直後に「#TWICE紅白」「#TTポーズ」などのハッシュタグが急上昇し、世界のトレンド上位に入る現象が起きました。特にK-POPファンはSNSでの情報発信が活発なため、出演が発表された時点から「待ってました!」「ついに紅白!」と盛り上がりを見せます。
また、SEVENTEENが2023年に紅白に初出場した際も、パフォーマンス中にSNS上で多数の実況投稿が飛び交い、放送終了後にはYouTubeの検索数も急上昇。テレビ離れが進む中、SNS上でのバズりは**視聴率以外の“新しい成功指標”**と捉えることができるようになっています。
NHK自身もSNSでの発信に力を入れており、出演アーティストの舞台裏映像やオフショットをXやInstagramで公開。これにより視聴者の満足度が高まり、紅白の“体験価値”がより深く広がっているのです。
年配層 vs 若者層の視点の違い
海外アーティストの紅白出演に対しては、年齢層によって受け取り方に差があるのも事実です。特に年配層(50代以上)と若者層(10〜30代)で意見が分かれる傾向が顕著です。
年配層からは、「日本の年末番組なのに、なぜ外国人が出るの?」という声や、「日本の歌手をもっと出してほしい」といった意見が散見されます。紅白に対して“日本の伝統ある番組”という印象を持っている層にとって、海外アーティストの登場は違和感につながることがあるようです。
一方、若者層にとっては、K-POPや海外音楽が日常の一部になっており、「推しが紅白に出るのが誇らしい」「もっと海外勢を増やして欲しい」というポジティブな声が多く見られます。特に日本語で歌う韓国アーティストには親近感を抱くファンが多く、応援ムードも強いです。
このように、世代間ギャップが紅白の視聴体験に影響を与えるというのは、現代的な傾向です。NHKとしては幅広い層に訴求する必要があるため、出演者のバランスに神経を使っていることがわかります。
出場に対する賛否と「紅白の国際化」議論
海外アーティストの紅白出場には、毎年必ずといっていいほど賛否の声が上がります。「外国人が出るなんておかしい」という否定的な意見もあれば、「今や国際的な音楽イベントになった証拠」と歓迎する声もあり、視聴者の中でも意見が真っ二つに分かれます。
否定的な声には、「紅白は日本の歌手の晴れ舞台であるべき」「海外アーティストは紅白以外の場で披露してほしい」といった、“日本の文化を守るべき”という考えが根底にあるようです。
一方で、国際的なイベントへの転換を前向きにとらえる声も増えてきました。たとえば「紅白を見てK-POPを好きになった」という人や、「グローバルな視点を持った番組作りは時代に合っている」と評価する意見も多く見られます。
近年はNHK自体も「多様性」「国際化」を掲げるメディア戦略を展開しており、紅白もその一環として進化し続けていると考えられます。海外アーティストの出演はその象徴的な事例であり、日本だけでなく世界に向けた“音楽の祭典”としての立ち位置を確立しつつあるのです。
ファンの期待とアンチの批判が交錯
紅白への海外アーティスト出演が発表されると、ファンたちは歓喜します。「まさか紅白に!」「推しが紅白のステージに立つなんて夢のよう」といった喜びの声がSNS上にあふれ、応援アカウントやファンコミュニティも大盛り上がりになります。
一方で、一定数の“アンチ”が存在するのも事実です。特に「なぜこのアーティストが出るのか?」「日本語も歌わないのに出場はおかしい」など、出場基準に対する疑問や批判が毎年見られます。
また、一部のコアな紅白ファンからは、「演歌や伝統的な歌謡曲が減って寂しい」「昔の紅白らしさがなくなった」といった懐古的な批判も聞かれます。これは海外アーティストに限らず、近年の紅白全体の変化に対する抵抗感とも言えます。
しかし、ファンによるポジティブな拡散力の方がはるかに大きく、視聴率やSNSの反応には明らかに好影響を与えています。
アンチの声も一定の役割を果たしてはいるものの、紅白が“変化する時代”を象徴していることを考えれば、こうした交錯した声もまた、現代の紅白のリアルな姿と言えるでしょう。
海外出演による視聴率や話題性への影響
紅白歌合戦に海外アーティストが登場すると、視聴率にどのような影響があるのか。これについては明確なデータはないものの、「特定のアーティストが出演する時間帯に視聴率が上がった」という報道は過去に複数存在します。
特にK-POPグループが出演するパートでは、リアルタイム視聴を目的としたファンの視聴が集中する傾向があります。これにより一時的に視聴率が上昇することがあるため、「数字を持っているアーティスト」として評価されやすくなるのです。
また、SNSでの話題性は非常に高く、出演のニュースが配信されるだけでメディア露出が爆発的に増えることも。たとえばTWICEの紅白初出場発表時は、Yahoo!ニュースの急上昇ワードにもなりました。
一方で、全体の視聴率には大きな変動が見られないこともあり、「海外アーティストの出演=数字アップ」とは一概に言えません。ただし、話題性・注目度・ネットでの拡散力という点では、確実にプラスに働いていると言えるでしょう。
NHKの「グローバル化戦略」と紅白の今後
NHKは近年、「グローバル展開」をキーワードに掲げており、海外向け放送「NHKワールドJAPAN」や多言語ニュース、国際イベント連動番組など、世界を意識した番組づくりに積極的に取り組んでいます。
この流れの中で、紅白歌合戦も例外ではありません。かつては国内向けの音楽番組として位置づけられていた紅白ですが、今ではNHKワールドJAPANやストリーミング配信を通じて、海外在住の日本人や日本文化に興味を持つ外国人にも視聴される国際的な音楽イベントへと変化しています。
こうした動きにより、今後も海外アーティストの起用はますます増えると予想されます。特に、「日本での人気」+「海外からの注目」という二重の評価を得られるアーティストは、紅白にとって非常に価値のある存在です。
さらに、NHKはSDGsや多様性といった現代的なテーマにも対応しており、文化の壁を越える音楽の力を象徴するアーティストを積極的に起用する方向にあると考えられます。紅白が“日本の年末行事”から、“世界へ開かれた音楽祭”へと進化する未来は、そう遠くないかもしれません。
AI・VTuber・バーチャル出演の可能性
音楽業界は今、大きな転換期を迎えており、その一端を担っているのがAIアーティストやVTuber、バーチャルシンガーの存在です。実際にNHKは過去の紅白でバーチャルアーティスト「初音ミク」を起用した経験があり、今後はAIやメタバース技術を活用した新たな“海外アーティスト枠”が登場する可能性も十分にあります。
たとえば、AIが自動生成する楽曲を歌うシンガーや、世界中で活躍するバーチャルアイドル(例:Kizuna AI、Ado風のバーチャルシンガー)など、**国境もリアルな存在すら超えた“グローバル出演者”**が現れる未来が近づいています。
さらに、バーチャル技術を使えば時差や移動の壁もなくなるため、欧米やアジア圏のアーティストが自国のスタジオから“仮想ステージ”に出演する演出も可能です。コロナ禍をきっかけに加速した「リモート出演」の進化形として、今後紅白にも自然と取り入れられていくでしょう。
こうした技術は、海外アーティストと日本のアーティストの“仮想コラボ”を生む可能性もあり、紅白の演出幅を大きく広げていくに違いありません。
グローバルK-POP戦国時代と日本市場
K-POPは今や、アジアにとどまらず世界中で人気を博す音楽ジャンルとなり、BTSやBLACKPINKを筆頭に、数多くのグループが“日本市場”を重要な拠点として捉えています。
その結果、紅白歌合戦もK-POPグループにとっては「世界的なステータスのひとつ」として認識されるようになっており、日韓同時プロモーションの中で紅白出演を目標にするケースも少なくありません。
特にSEVENTEEN、ENHYPEN、IVE、LE SSERAFIMなどの第4〜第5世代のK-POPグループは、日本語楽曲や日本ツアーを重視しており、紅白への出演機会を着実に狙っています。これにより、紅白自体もグローバルファンダムを取り込む音楽イベントとしての価値が高まっているのです。
また、韓国以外のアジア圏や欧米でも、紅白出演を目指すアーティストが登場する可能性があり、今後はK-POP以外の“グローバルポップ”も出場する時代が来るかもしれません。
日本から世界へ:逆輸入アーティストも台頭中
一方で、海外アーティストだけでなく、“逆輸入型”の日本人アーティストにも注目が集まっています。これは、海外で人気や実績を築いた後に日本でも再ブレイクするタイプのアーティストです。
たとえば、藤井風はYouTubeや海外ストリーミングでの反響が非常に大きく、「グローバル感覚を持つアーティスト」として紅白での演出も非常に国際的な印象を与えました。
また、AimerやYOASOBIなどのアーティストも、海外アニメファンを中心に人気を拡大しており、日本の音楽が逆に“輸出される側”になっています。このような逆輸入アーティストの存在は、紅白に新しい視点を与えてくれます。
今後は、日本出身でも「世界を舞台に活躍しているアーティスト」が、紅白の“海外アーティスト枠”として位置付けられる可能性も出てくるでしょう。
「国境を超える音楽祭」へと進化する紅白の未来
紅白歌合戦は、これまで日本の大晦日を彩る伝統的な番組として多くの人に愛されてきました。しかし、世界がボーダーレスに繋がる現代において、紅白もまた**「国境を越える音楽祭」へと進化を遂げつつある**と言えるでしょう。
2020年代に入り、グローバル化・多様性・デジタル化といったキーワードが日本社会に浸透する中で、紅白もそれらの価値観に適応し、国籍や言語にとらわれない出演者構成や演出が増えてきました。
今後は、日本国内の人気だけでなく、世界中のファンを意識した構成や演出が求められるようになるでしょう。そのため、海外アーティストは“特別枠”ではなく、“当たり前の一員”として出演する時代が到来しつつあります。
紅白は単なる音楽番組を超えて、“世界とつながる日本の文化イベント”としての地位を築くことができるのか?
その鍵を握るのが、今後もますます注目される海外アーティストたちの存在なのです。
まとめ|紅白に出演した海外アーティストたちは“音楽でつながる世界”の象徴
紅白歌合戦に出演した海外アーティストは、K-POPから欧米の大物まで多岐にわたります。BoAやTWICEのように“その年の音楽シーンを彩った存在”として登場する例もあれば、サラ・ブライトマンやマライア・キャリーのように“特別なメッセージ”や“格調高い演出”を担う存在もいます。
出演の背景には、単なる人気や話題性だけでなく、NHKの掲げる「多様性」「国際化」の意図、そして音楽が持つ“国境を越える力”が深く関わっています。
そして何より、SNS時代の今、海外アーティストの出演は視聴者の熱量を高め、番組の価値そのものをグローバルに引き上げています。紅白がこれから“日本だけの番組”ではなく、“世界とつながる音楽祭”へと進化していく中で、海外アーティストの存在はますます重要になるでしょう。
紅白歌合戦という舞台に立つその一瞬一瞬が、音楽の力で人と人、国と国をつなぐ象徴となっているのです。

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