「周りの人はどれくらい貯金してるんだろう?」そんな疑問を感じたことはありませんか?特に20代後半になると、結婚や出産、引越しや転職など将来のイベントを意識し始めるタイミングでもあり、「貯金しないとマズいかも」と焦りを感じる人も多いはず。
この記事では、20代後半の平均貯金額から、なかなか貯金できないリアルな理由、今日から始められる具体的な貯金術、そして将来に向けた“目的別”の貯金方法まで、わかりやすく解説しています。
お金の不安を安心に変える第一歩として、ぜひ参考にしてください!
20代後半の平均貯金額は実際いくら?
調査から見るリアルな平均金額
20代後半(25〜29歳)の平均貯金額について、多くの方が「どれくらい貯めておくべき?」「自分って少ないのかな?」と気になるところですよね。実際の調査によると、20代全体の平均貯金額は約150万〜219万円というデータがあります。しかし、この数字はあくまで“平均”であって、全員がその金額を持っているわけではありません。
例えば、ソニー生命の調査では、20代の平均貯金額が219万円とされる一方で、金融広報中央委員会の調査では約151万円という結果もあり、出典によって差があります。さらに注目すべきなのが「中央値」。これはデータの真ん中に位置する金額で、実際に多くの人が持っているであろう金額に近い指標です。
中央値は調査によって10万円〜103万円程度とされており、平均よりもかなり低いことがわかります。つまり、一部の“たくさん貯金している人”が全体の平均を押し上げている可能性が高いということです。
平均と中央値の違いとは?
「平均」と「中央値」は、データを見る上で非常に重要な違いがあります。平均は、すべての金額を足して人数で割ったものなので、極端に高額な人が数名いると、大きく引き上げられてしまいます。
一方、中央値は貯金額を低い順に並べて、真ん中に位置する人の金額です。つまり、多くの人がどれくらいの貯金をしているかを知るには、「中央値」のほうが現実的な指標になります。
20代後半の平均が150万〜200万円でも、実際には20万円〜50万円程度の人が多数派というのが本音です。数字のトリックに惑わされず、自分と同じ立場の人の“リアルな状況”を知ることが大切です。
単身と2人以上世帯での差
貯金額には、世帯構成も大きく関係してきます。単身で暮らす人と、夫婦や家族で暮らす人では、当然ながら支出も収入も変わってくるからです。
調査では、単身世帯の平均貯金額は約176万円、中央値は20万円という結果が出ています。一方で、2人以上の世帯になると平均約214万円、中央値は44万円と、やや高めの傾向があります。
これは、共働きによって収入が増えたり、生活費を分担できることが理由と考えられます。ただし、家族が増えることで支出も増えるため、一概に貯金しやすいとは限らない点にも注意が必要です。
高額貯金者が平均を引き上げる構造
たとえば、年収800万円以上の人が月10万円ずつ貯金していると、それだけで年間120万円の貯金になります。こうした高所得者が平均を大きく引き上げているのです。
つまり、平均金額を鵜呑みにして「自分は少ない」と焦る必要はありません。重要なのは、「今の自分にできるペースで、貯金の習慣をつけているかどうか」です。
自分の立ち位置を知る目安に
平均や中央値を知ることは、自分の状況を客観的に見るためのひとつの目安です。ただし、他人と比較して落ち込むのではなく、「自分の理想とする未来に向かって、どんな準備をしていくか」がもっと大切です。
20代後半は、仕事も生活も少しずつ安定してくる時期。これを機に、自分の貯金状況を見直し、今後のプランを立てるきっかけにしてみましょう。
貯金ゼロは珍しくない?貯められない理由とは
初任給から貯金できない現実
「貯金がゼロ…」と不安に感じる20代後半の方は少なくありません。でも実際には、貯金ゼロも決して珍しいことではありません。特に新社会人の頃は、家賃や生活費、社会人として必要なスーツや家具など、初期費用にお金がかかり、貯金にまで手が回らないというのが実情です。
さらに、転職や一人暮らしの開始など、ライフステージが変わりやすいこの年代では、収入が安定しづらく、貯金の習慣を作るのが難しいことも多いです。初任給から「いきなり貯金を始める」というのは理想ではありますが、現実にはハードルが高いと感じて当然です。
家賃・奨学金・交際費の重圧
20代後半の金銭的負担で特に大きいのが「家賃」と「奨学金返済」です。都市部に住んでいる場合、ワンルームでも月7〜9万円かかることは珍しくありません。これに加え、月1〜2万円の奨学金返済があると、自由に使えるお金はかなり限られてきます。
さらに、社会人になってからは職場の飲み会、友人との付き合い、結婚式のご祝儀など“交際費”も増加します。「せっかく働いて稼いだのに、手元に何も残らない…」と感じる人が多いのも納得です。
これらの支出は“必要経費”とも言えるため、削りにくく、貯金ができない要因となっています。
貯金より「経験」を重視する傾向
近年は「今を楽しむ」「経験にお金を使いたい」と考える若い世代が増えており、それ自体はとてもポジティブな傾向です。旅行、趣味、推し活、スキルアップのための学習などに投資することで、将来の人生の豊かさに繋がる面もあります。
そのため、「貯金よりも今を大切にする」というスタンスも決して間違いではありません。ただ、全く貯金がない状態が続くと、急な出費やライフイベントに対応できなくなってしまうリスクもあります。大切なのは、経験と貯蓄の“バランス”をとることです。
ライフスタイルの変化で崩れる計画
「来月からは本気で貯金しよう」と思っても、急な転職や引っ越し、体調不良など、予期せぬ出来事が起きると、貯金どころではなくなることもあります。20代後半は、恋愛や結婚、キャリアの転機が多い時期。生活の優先順位が変わりやすく、継続的な貯金が難しいのは当然です。
また、サブスクリプションやキャッシュレス決済の普及により、「気づかないうちにお金を使っていた」という声も増えています。お金の流れが“見えにくい時代”になっているとも言えるでしょう。
貯金できないことに悩む必要はある?
結論から言うと、貯金が少ない・ゼロであることに、過度に落ち込む必要はありません。むしろ、「これからどう貯金を作っていくか」「少しでも習慣をつけていけるか」が大切です。
貯金は一気に数十万円を作るものではなく、毎月数千円ずつでも“積み重ねる”ことで形になります。「みんな貯金してるのに、自分だけできてない」と感じたときこそ、自分のペースを見直すチャンスです。
大事なのは、比較ではなく“行動”。次章では、20代後半からでも始められる具体的な貯金方法をご紹介します。
今すぐできる!20代後半向け貯金術5選
生活費の固定費を見直す
貯金を増やすための第一歩は、「支出の見直し」、特に固定費の削減です。毎月必ず出ていくお金、つまり家賃・スマホ代・光熱費・サブスクなどを見直すことで、継続的な節約効果が期待できます。
たとえば、スマホを格安SIMに乗り換えるだけで月5,000円以上浮くケースもあります。光熱費や保険の見直しも同様で、「今の契約が本当に必要か?」を一度冷静に見直すだけで、年間数万円単位の節約が可能です。
また、サブスク(動画・音楽・雑誌など)は“気づかぬ出費”の代表格。「実は1ヶ月以上使っていない…」というサービスがあれば、思い切って解約してみましょう。その浮いたお金を貯金に回すことで、無理なく貯金がスタートできます。
つみたてNISA・iDeCoの活用
将来に備えるなら、投資信託を活用した制度も検討の価値ありです。特に「つみたてNISA」は、年間40万円までの非課税投資枠があり、少額から積立できるので初心者にもおすすめ。月1,000円〜でもスタートできるので、「気づいたら増えてた!」という嬉しい効果も期待できます。
また、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は老後資金の積立に特化した制度で、掛金が全額所得控除になるため節税効果もあります。20代から始めると、運用期間が長くなり、その分リターンも増える可能性が高いです。
投資はリスクがゼロではありませんが、「長期・積立・分散」の基本を守れば、貯金+資産形成という形で、将来の不安を少しずつ減らすことができます。
「先取り貯金」で自動的に貯める習慣
貯金が苦手な人におすすめなのが「先取り貯金」です。これは、給料が入った瞬間に一定額を貯金口座へ自動的に移す方法で、「残ったお金で生活する」スタイルを強制的に作ることができます。
たとえば、毎月5,000円〜1万円を自動振替に設定しておくだけで、1年後にはしっかりとした貯金ができているはず。手動でやるとつい忘れがちですが、自動化することで貯金が習慣になります。
「生活費が足りなくなったら…」と不安になる人もいるかもしれませんが、実際にやってみると意外とやりくりできることが多いです。大切なのは、“貯金を特別なことにしない”こと。習慣にしてしまえば、ストレスなく継続できます。
家計簿アプリで支出の見える化
「お金が貯まらない原因がわからない…」という人には、家計簿アプリの活用がおすすめです。最近のアプリは銀行口座やクレジットカードと連携でき、自動で支出をカテゴリ分けしてくれるので、手間なくお金の流れを把握できます。
代表的なアプリには「マネーフォワードME」や「Zaim」などがあり、無料でも十分に活用可能です。自分がどの項目にお金を使いすぎているのかが一目でわかるため、無駄遣いを自然と減らせるようになります。
可視化することで、「このままだと〇月には赤字かも」「意外とコンビニで使ってるな」といった気づきが得られ、行動の改善に繋がります。
飲み会やサブスクを上手にコントロール
20代後半は交際費が増える時期でもありますが、無理に全部の飲み会に参加したり、惰性で契約しているサブスクにお金を払い続けるのはNGです。
もちろん、友人関係や娯楽は大切ですが、「月〇回まで」など自分の中でルールを作ることで、精神的にも金銭的にも余裕が生まれます。例えば、交際費用に上限を設けたり、「飲み会1回断ったらその分を貯金する」などのルールを作るのも効果的です。
サブスクも月に1回見直す習慣をつけるだけで、「本当に使ってるかどうか」の意識が変わります。これらの工夫は、ストレスなく貯金を進めるための大きな助けになります。
平均を超えるには?収入アップも重要
副業で月収+3万円を目指す
貯金額を増やすためには「支出を減らす」だけでなく、「収入を増やす」ことも重要です。特に20代後半は、仕事に慣れ、時間的にも少し余裕が出てくる時期。副業を始める絶好のタイミングとも言えます。
副業には様々な種類がありますが、初心者でも取り組みやすいのが「スキル販売」「ライティング」「データ入力」「動画編集」などのオンラインワーク。特にクラウドワークスやココナラなどを活用すれば、在宅で自分のペースで働くことができます。
月に3万円の副業収入を得ることができれば、年間で36万円のプラス。これをそのまま貯金すれば、平均貯金額に一気に近づくことも可能です。「本業があるから副業はムリ…」と感じている方も、まずは1日30分だけでもチャレンジしてみましょう。
スキルアップで昇給・転職に強くなる
副業が難しいという方は、本業での収入アップを目指すのも大切な選択肢です。たとえば、資格取得や業務効率の向上で昇給・昇格につながることも多く、将来にわたって安定した収入を築くことができます。
IT・マーケティング・英語・簿記など、需要のあるスキルを磨けば、転職市場での評価も上がります。最近ではオンラインスクールや無料の学習サイトも充実しており、独学でもスキルアップがしやすい環境です。
今の職場で収入に限界を感じているなら、「転職も選択肢のひとつ」として捉えることで、自分の市場価値を冷静に見直すことができます。
転職サイトを活用した市場価値の確認
年収アップやキャリアチェンジを考える上で、自分のスキルや経験が「市場でどのくらい評価されるのか?」を知ることはとても重要です。
リクナビNEXTやdoda、ビズリーチなどの転職サイトでは、無料登録するだけで「あなたの想定年収」や「スカウト情報」を確認することができます。これにより、「今の収入が妥当か?」「もっと条件の良い職場があるかも?」といった新たな気づきが得られるかもしれません。
もちろん、すぐに転職しなくても、「情報収集」として見るだけでも視野が広がります。今の自分にできることと、将来目指したい方向性を重ねていくことで、より堅実な収入アップの道筋が見えてくるはずです。
フリーランス・個人事業主の選択肢
近年では、フリーランスや個人事業主として働く20代も増えています。自分のスキルや経験を活かしながら、場所や時間に縛られずに働けることが大きな魅力です。
もちろん、収入が不安定だったり、税金の管理が必要だったりと、ハードルが高い部分もありますが、「自由度の高い働き方」を手に入れることもできます。まずは副業からスタートして、自分に合っているかを試してみるのが良いでしょう。
フリーランスは、上手に運営すれば本業よりも収入が高くなることもあります。将来的に「独立したい」「自分のブランドを持ちたい」と考えている人にとって、有力なキャリア選択のひとつとなります。
稼ぐ力と貯める力のバランスを整える
「収入を増やす」ことに注力しすぎて、支出が増えてしまうと本末転倒です。どんなに収入が増えても、使いすぎてしまえば貯金はできません。
そのため、「稼ぐ力」と「貯める力」をバランスよく育てていくことが大切です。月収が増えたら、その一部を自動的に貯金に回す仕組みを作る。「収入が上がったから生活水準も上げよう」という流れではなく、「余裕ができた分、将来の安心に変える」意識が必要です。
収入アップと支出管理、この両輪をうまく回すことが、20代後半からの貯金を成功させる鍵になります。
将来に備える「目的別貯金」のすすめ
結婚・出産資金はどのくらい必要?
20代後半になると、「そろそろ結婚を考えたい」「子どもがほしい」といった将来設計を意識し始める方も多いですよね。そのときに大きな壁となるのが“資金”。ゼクシィなどの調査によると、結婚式や新婚旅行にかかる費用は平均で300万円前後と言われています。
また、出産・育児にもまとまった費用がかかり、妊娠から出産までに必要な費用は約50〜100万円程度、育児にかかる年間費用は50万円以上になることも。
これらの出費は急に準備できるものではないため、月1万円でもいいので“目的別”に積み立てておくことで、将来の不安を大きく減らすことができます。共通口座を作ってパートナーと一緒に貯めるのもおすすめです。
マイホーム購入・引越し費用の目安
「いずれはマイホームを…」「転職にあわせて引越したい」と考えたときにも、数十万〜数百万円単位のお金が必要になります。引越しだけでも、敷金・礼金・仲介手数料・家具購入などで20万〜50万円は軽くかかることがあります。
マイホームを購入する場合は、頭金として**物件価格の10〜20%**を用意するのが一般的。3,000万円の家なら、300万円〜600万円という大金が必要になります。
もちろん住宅ローンを活用すれば全額現金で用意する必要はありませんが、諸費用や予備費なども含めて、現金はできるだけ確保しておきたいところです。将来の住まいに備えて「住宅貯金」も少しずつスタートしておくと安心です。
老後資金は20代から意識すべき?
「老後なんてまだ先」と思いがちですが、実は早いうちから備えることがとても大切です。なぜなら、老後資金は時間をかけて積み上げるものだからです。
老後に必要とされる資金は、平均で2,000万円〜3,000万円とも言われています。この大きな額を一気に用意するのは難しいですが、20代から毎月1万円を積み立てるだけでも、30年後には360万円以上になり、複利運用すればさらに大きな金額に成長します。
つみたてNISAやiDeCoなどの制度を活用すれば、税制優遇を受けながら効率よく老後資金を準備できます。今は無理せず少額でも、将来への“安心”をつくる第一歩になります。
旅行・趣味・自己投資の積立もOK
貯金というと「堅苦しい」「我慢」と思われがちですが、旅行や趣味、自己投資といった“楽しみのための貯金”もとても大切です。たとえば、海外旅行に行くために月5,000円を積み立てたり、好きなアーティストのライブに備えて貯めるなど、「自分を楽しませる目的の貯金」も立派な計画です。
また、習い事や資格取得、語学スクールなどへの自己投資も、将来の収入アップや人生の充実に繋がります。そうした“未来への種まき”としての貯金は、モチベーションにもつながりやすく、無理なく続けられるというメリットも。
目標を決めて楽しく貯金を続けよう
「目的がないと貯金できない…」という人は少なくありません。でも逆に、具体的な目標があると、自然とモチベーションが生まれるのも事実です。
「◯年後に結婚したい」「来年こそヨーロッパ旅行に行きたい」「年内に資格を取りたい」など、目的を明確にすることで、貯金も“頑張る理由”になります。スマホのメモや手帳に目標金額と期日を書くだけでも、意識が変わりますよ。
貯金は“自分の未来を守る手段”。無理なく、楽しく、継続できる仕組みを作ることが、20代後半にとって理想的な貯金スタイルです。
まとめ
20代後半という人生の節目では、仕事や人間関係、ライフスタイルに多くの変化が訪れます。その中で「貯金」に目を向けることは、将来の安心と選択肢を広げるための大切な一歩です。
平均貯金額が150万〜200万円とされる一方で、実際には貯金ゼロ〜数十万円という人も多く、「自分だけ貯金できていない…」と悩む必要はまったくありません。大切なのは、自分の収支バランスを理解し、できることから少しずつ行動に移すことです。
支出の見直し、少額からの先取り貯金、つみたてNISAや副業など、多くの方法があります。そして何より、「何のために貯金するのか?」という目的を明確にすることで、貯金はつらいことから“未来を楽しみに変える手段”へと変わります。
貯金は競争ではありません。自分のペースで、自分の未来のために、少しずつ積み重ねていきましょう。
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